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Q144.毎朝幼稚園を嫌がる息子を無理に行かせるべきなの?

一人息子を幼稚園に通わせている母です。
年中になっても中々幼稚園になじめず、毎朝教室に入るまでに門の所で泣いたりと時間がかかっています。幼稚園での話を聞くと遊んでいるおもちゃをいきなり取られてしまったり、逆に仲間に入れてほしくても入れてもらえなかったり、思うように行かない辛さがあるようです。話を聞くと私も辛くなってしまい行かせるのが可哀そうになってしまう時もあります。行きたくない時に無理に行かせる必要があるのでしょうか。

 

A.わが子に愛情を注ぐ素晴らしいお母さんです

可愛いわが子の辛そうな姿をみると切ない気持ちになりますよね。集団の中に送り出すと、わが子が嫌な思いをしていないか、また他の子と比べてしまったり不安ですね。どんなママもそのような心配をするものであり、それだけ愛情を注いできたあなたは素晴らしいお母さんです。

 

 

集団生活の中から色々なことを体験します

お子さんはこの時期、食事や寝ている時以外はすべてが遊びの年齢です。成長につながるチャンスがちりばめられた小さな社会の集団生活で、遊びの中から「人に慣れる力」「人と仲良くする力」を体験し、身につけていきます。友達と遊ぶということは、見てまねたり、同じ遊びを楽しんだりする時間も沢山ありますが、本人の都合の良い事ばかりではありません。

 

子どもなりに学び、成長できる事を味わっている

家では思うままに遊べても、幼稚園では、お互いが所有したい気持ちからおもちゃの奪い合いなど日常茶飯事。しかし、勝ち取った子どもがおもちゃを手にしても、いつまでもそんなことでは友達に嫌われて遊んで貰えなくなる。おもちゃは欲しい、でも友達とも遊びたい…このような2つ以上の欲求本能をどう調整しようかと子どもなりに一生懸命考えます。これを「煩悶(はんもん)」と言います。
このような、やむにやまれぬ切羽詰まった必要性から思考力が育ち、人間らしい心が育ちます。ですから、息子さんは幼児期に必要な学びをちゃんと味わっている、ということです。

 

ママからもらう言葉は次のステップへの勇気につながる

そのような視点で息子さんを見ると、ママの日常のふれあいに知恵が沸いてきませんか?愛情のかけ方に何倍も磨きがかかるのではないでしょうか。
例えば、帰宅した時にギュッと抱きしめてあげるだけで子どもにママの愛情が充電されます。そして「お友達はなぜそんなことしたのだろうね…」とよく聞いてあげる。
わが子は可哀そうな子でも、弱虫な子でもない、沢山の体験をして帰ってきた勇者です。
「そうだったのね」「あなたはこう言えたのね」とママにもらえる言葉は、次のステップへとつながる勇気が引き出されていきます。
愛情いっぱいのあなたなら大丈夫。ママも子どもの姿から学び成長するチャンスです。

 

【体験談】あるお母さんのふれあいです!!

年中の長男がある日突然「明日から幼稚園に行きたくない」と言い出した。訳を聞くと、1週間毎日、隣の席の男の子にお腹を殴られていたとのこと。可哀そうなのと知らずにいた自分が悲しくなり、その子への怒りがこみあげた。
その子の親に伝えようか迷ったが感情が先に出そうだったので、先生に「子どもの話なので真相はわからないのですが、子どもが行きたくない気持ちになっているのは初めてなので心配なんです」と相談すると、そのお子さんは転入したばかりでまだなじめずにいる事を聞いた。
旦那に話すと、その日から息子とお風呂で「明日、友達に殴られそうになったらどうかわすか」作戦を立て練習し始めた。(そんなことをして何になるんだろう)と最初は思っていたが、息子は「今日は殴ってこなかった」「やめて!って言えた」などの報告をお風呂でするようになった。その姿を見て、家庭教育で幼児はまだまだ表現が上手く出来ない時期であるということ、悪意のない自己中心性があると学んだことを思い出した。
「言えなかった事を言えるようになったね。本当は○○君、仲良くなりたかったのではないかな」と息子を励ました。
息子と先生を信じて、家での触れ合いを大事にし、明日もまた幼稚園を楽しみに行けるように、認めてあげて勇気を持てるよう心がけた。「僕の好きなカードゲーム○○君も好きなんだって」と嬉しそうに話すまでになり、私もその子のお母さんと園でお会いし話す機会が増え、うちの子と仲良くしたい事がわかった。
息子にとって暴力を振るう嫌な子が、一緒にいて楽しいお友達に変わるまでの日々を親子で味わえた事はとても大きな体験だった。「嫌いな子は嫌い」「嫌なものは嫌」で終わらない経験は小学、中学の現在でも人間関係の土台になっている。

 

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