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04.ゲームに夢中の子どもにいのちの尊さを伝えたいのですが

Q.2年生の息子が遊んでいるゲームやカードの内容が気になります。戦闘関連の物が多く、死んだ相手が「蘇生カード」や「リセットボタン」で生き返るという仕組みになっているようです。いのちの尊さを伝えたいと思うのですが、そうしたゲームが、子どもの心にどう影響するのか心配です。

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A.人間は触れる条件によって、考え方や価値観が育てられていきます。したがって、ハードなゲームやカードはできるだけ避けた方がいいかと思います。また、あたり前のことかもしれませんが、人間は死んだら二度と生き返らないことを、子どもに繰り返し教えましょう。そして、バーチャルと現実とは違うことを、日常生活のなかで伝えてほしいと思います。

一つには、子どもの情的な面を豊かに育てていくことです。自然のなかで育まれている花や小動物、そしてたくさんの人と触れ合うなかでの、悲しい、つらい、痛い、嫌だ、という経験が人の心を育てていきます。ともすると、親はそうした体験を子どもにさせたくないと思いがちですが、それでは将来、子どもが困ります。生き物を飼うこともいいですし、身内の葬儀に一緒に参列することも必要でしょう。かわいがっていた生き物が死んでしまえば、もう二度と一緒に遊ぶことはできません。子どもと一緒になって、亡くなった生き物のお墓を作り、花をたむけることも大切でしょう。また、やさしかったおじいちゃん、おばあちゃんの死に出会えば、二度と話せない現実を目のあたりにします。そうした経験のなかで死の意味を、子どもなりに感じとっていくはずです。親は子どもにそうした場面に出会う機会を与えてほしいと思います。

いのちの尊さを教えていくのと同時に、もう一つ大切なことは、子ども自身に「自分は大切にされている」という実感を持たせてあげることです。人間は、自分が大事にされるという経験を味わうことで、初めて相手のいのちを大切に思えるようになります。そして、子どもが友だちに思いやりをかけたり、大切にしている姿を見たら、その場で、「あなたはやさしいのね。人を大切にするって、そういうことなのよ」と、お母さんが確認してあげましょう。すると子どもは、「人を大切にする」という言葉と、自分の行動、そして、ほめてもらってうれしかった感情が一つになって、相手のいのちを大切にすることの意味をつかんでいくのです。教育はタイミング。あきらめずに子どもの心に働きかけたいものですね。

Point1.人は生き返らないことを伝える
ゲームやテレビなどの影響で「人は生き返る」と信じている子どもが多いそうです。子どもに死の意味を教えることも大人の役割です。

Point2.子どもに愛されている実感を持たせる
自分が親に愛されていると分かってこそ、ほかの人も自分と同じように誰かに愛されている存在だと知ります。誰かに愛されているいのちだからこそ、大切にしたいという心が育ってくるのです。

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