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61.高校2年の息子が真夜中に大声で叫びます

Q.高校2年の息子が真夜中に大声で叫びます。最近、「俺はだめだ」「死にてえ」と叫び、ドキッとしました。すぐに起きて、学校で何があったのか尋ねました。でも、息子は「何でもねえ。あっちに行って」と言ったきり。夫婦で食堂を切り盛りし、小さい時から息子をかまってあげられなかったのが原因でしょうか。夫が酒を飲むと夫婦喧嘩になったことへの反発でしょうか。

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A.息子さんの叫びを聞いて、さぞ驚かれたでしょうね。息子さんにはこれまで寂しさや不満もあったでしょう。それをこらえて、親に不平も言わないで成長してくれた。素晴らしい息子さんに育っていますね。

高校生期は自己が確立され、自分がよく見えてきます。そして、強く理想に憧れるので、理想通りになれない自分にいら立つのです。息子さんの叫びは「今のままではイヤだ。もっと良くなりたい」という向上心の叫びです。「死にてえ」と言いながら、尋ねると「何でもねえ」と、矛盾する言葉のようですが、それが、この時期の特徴で、「心の二重構造」なのです。苦しくても本心を知られたくないという、心の成長をよく理解して触れ合うことが大切です。

息子さんの姿を通して胸に湧いたお詫びの心、ここまで成長してくれた感謝などを、息子さんに伝えられたらいいですね。ご主人に対して「私も悪かったな」と思うことがあれば素直に伝えましょう。家庭が斉うと、息子さんの心も安定します。

また、これをきっかけに会話の機会を増やす努力もできます。好きな食べ物や服装など気軽な話の中に、どんなことに悩んでいるのかといった心の様子が見えてくるでしょう。よく話を聴いて、息子さんの心を否定せずに、「あなたならきっとできると思うよ」「あなたは私たちにとって大切な存在、宝だと思っているよ」と期待してあげてください。そうすれば、きっと自分で進む方向を見つけ出す努力をしていけると思います。

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